2019年 07月 22日
時の流れ...②
あちらにいる鬼
井上荒野 著
直木賞作家 井上荒野が
父、井上光晴と瀬戸内寂聴、
母との三角関係を描いた小説
作者が父の愛人であった寂聴さんに
直接話を聞き
母親と寂聴さん2人の視点で
同時進行に描かれています。
登場人物それぞれに
感情移入して読みました。
《帯から》
作者の父
井上光晴と私の不倫が始まったとき
作者は五歳だった。
五歳の娘が将来小説家になることを
信じて疑わなかった亡き父の魂は
この小説の誕生を誰よりも深い喜びを
持って迎えたことだろう。
作者の母も父に劣らない文学的才能の
持ち主だった。
作者の未来は、いっそうの輝きに満ちている。
百も千もおめでとう。
(瀬戸内寂聴)
寂聴さんが生きているうちに
小説にした著者
それを絶賛のうちに祝福する寂聴さん
小説家の業....劫(ごう)とでも
いうのでしょうか。
どんな苦しいことも
時間が問題を解決し
心のわだかまりをも洗い流す
人はそうして
苦しみを越えていく
時はすべてを変容させていくと
教えられたあっぱれな一冊です。
今日も心地よい一日でありますように
お読みくださいまして
ありがとうございました
にほんブログ村